脳神経外科の受診ガイド

未破裂脳動脈瘤に対する血管内治療が普及してきました

くも膜下出血に対して手術を行うかどうかは重症度で決定されます。軽症から中等症のケースでは手術が選択されることもありますが、昏睡状態に陥っているケースでは救命自体が困難となります。

くも膜下出血を発症したら、まず血圧管理、鎮痛対策、抗浮腫対策が求められます。降圧薬の静脈投与により血圧を一定に保ち、鎮静剤や鎮痛剤を投与して頭痛を軽減し、抗浮腫薬の点滴により頭蓋内圧を低下させます。

くも膜下出血の原因の大半は動脈瘤の破裂ですので、原因となった動脈瘤を突き止めるため脳血管撮影を行う必要があります。動脈瘤が確認されたら、再度の出血を防ぐため動脈瘤の頚部にクリップをかける手術(クリッピング)を行います。最近では塞栓用コイルで血管内塞栓術を行う症例も増えています。

近年は脳ドックの検査を受ける中高年が増えたことにより、未破裂動脈瘤が発見されるケースが多くなりました。未破裂脳動脈瘤が見つかったからといって全てが手術適応となるわけではありません。大部分を占める小さな動脈瘤は、手術の必要はなく、定期的な検査で増大傾向がないかを経過観察すればよいとされています。

最近では。未破裂動脈瘤に対しては、患者の負担が小さく、開頭手術よりも合併症のリスクが低い血管内治療が普及しています。血管内治療は、血管内から動脈瘤内に塞栓物質を充填して血流を遮断するので、開頭によるクリッピングに比べて患者の負担が軽減されています。


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