血管に原因がある脳卒中とそうでないほかの病気を正しく見極める
脳内にできる腫瘍、いわゆる脳腫瘍には良性と悪性があります。悪性はがんですが、良性の腫瘍でも脳の奥の方にできたものは腫瘍が大きくなると周囲を圧迫し様々な障害が出るため、悪性に近い存在となります。良性も場合は手術で治療することが可能な場合が多いので、症状を見逃さずに、検査を受け、早期発見することが大切です。
脳卒中は前触れなく激しい頭痛、眩暈、嘔吐、ろれつが回らないなどの症状が現れますが、脳腫瘍の症状の経過は、せいぜいいつ頃から異変を感じたかくらいしかわかりません。
そのため、脳腫瘍になったらどのような症状が現れるのかを知っておくことが早期発見のポイントとなります。脳腫瘍の章尾上で多いのは、言葉が分からなくなる失語症、体が動かなくなる麻痺、言動や行動に理解不能な一面が現れる精神障害です。
脳腫瘍の中には、体の他の部位でできたがんが脳に転移する転移性脳腫瘍というタイプもあります。一番多いのが肺がんからの転移で、女性では乳がんからも転移します。
脳は硬膜・くも膜・軟膜の3つの膜によって包まれていますが、これらをまとめて髄膜といいます。この髄膜や脳にウイルスや細菌が侵入し、炎症を起こす病気が髄膜炎と脳炎です。激しい頭痛、発熱などの症状が現れ、脳炎の場合は意識障害、奇妙な言動や行動なども認められます。必ず発熱を伴うため、脳卒中と区別できますが風邪と間違え内容に注意する必要があります。髄膜炎や脳炎を引き起こす代表的なウイルスは単純ヘルペスウイルスです。
慢性硬膜下血腫は、頭部を打撲した当時は出血に気が付かないもの、3ヶ月位してから硬膜の外側に溜まった血液によって奇妙な言動や行動、意識障害、認知症などの症状が現れてくる病気です。脳卒中と同じく血管の障害による病気ですが、硬膜下血腫は症状が徐々に現れるのが特徴です。手術によって治療が可能です。
パーキンソン病は老人に多くみられる脳の病気です。脳の神経細胞の一部は、神経伝達物質「ドーパミン」を出して、筋肉の運動を調節していますが、パーキンソン病になると神経細胞が変質しドーパミンが出なくなり、運動障害が起きてしまいます。
パーキンソン病には、手の震え、体の硬直、動作緩慢、小刻みな歩行という4つの特長的な症状があります。パーキンソン病は脳卒中と異なり、症状が徐々に現れ、また症状は片側ではなく両側に現れるのも特徴です。